現実に立ち向かうファンタジー作品 はずんで!パパモッコ 3・4巻
朝日小学生新聞連載。山本ルンルン作。
続巻出ました。このまま連載分が全て単行本化されると良いなぁ。
今回も珠玉のエピソードが詰まっていました。
ピアノの発表会に挑む内気な少年ナイロン。
発明家のモッコ博士の協力を得て特訓するものの、
あがり症を克服するには至らず。
そこで博士から渡されたのは「うんとリラックスできるキャンディー」
問題を一発で解決できる物ですが、当の博士は乗り気でなく。
発表会に挑む他の子達は、発明品なしに臨んでいる子ばかり。できるだけ飲まないでくれたらうれしいモッコねえ
緊張しながらも挑もうとする級友の姿を見て、
自分も勇気を出そうと決意したナイロン。
発明品に頼らない演奏は、実力を出し切れないものとなりました。
それでも、つまづきながら進む姿は美しかったです。
普段は彼にきつく当たる姉のジョーゼットが、
弱気に向き合い成長した姿を見て認めたように微笑むシーンはジンときます。
園芸部の少年リベットの悩みの種は、花の咲かない裏庭の木。
原因を探ろうと四苦八苦している彼のために、
博士の娘ニコが持ってきたのは、植物の気持ちがわかる発明品。
ところが彼はその申し出を断ります。
自分たちの力で原因を探って、花を咲かせたい。気持ちはうれしいけど
僕…発明品に頼りたくないんだ…
そんな彼の願いが叶った時、発明品は木の声を届けるのでした。
言葉が通じない相手の声を聞こうとしたリベット。
その気持ちが通じたからこその、「ありがとう」。
モッコ博士の不思議な発明品は、不可能を可能にしてくれます。
ですが、万能の特効薬とはなりません。
「夢を叶える発明品」が作品の基本にありながら、
「現実に立ち向かうこと」の尊さをテーマに描いています。
大事なのは、勇気だったり、努力だったり、思いやりだったり。
まるで、発明品のない僕らでも、
なんとかなると勇気づけてくれているかのような。
誠実さと優しさが詰まった物語です。
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